数か月前に新宿伊勢丹で出会いました。
暫く見たのですが、その時は買えませんでした。
どれを買えばよいのか迷ってしまったのです。
個性がはっきりしているのでほかの食器と馴染まないのではないか。
となると、あれもこれも買わねば使えない?!
という思考プロセスをたどり、ひとまず買わずに帰りました。
食器について~
日本の家庭における食の多様性は世界のどこを探しても上回る国はないと思います。
中華、和食、洋食、エスニック。ありとあらゆる分野の料理をします。
そして小皿や中くらいのお皿や大皿や汁椀や、これまた一度の食事にた~くさんの食器を使います。
関西の食文化は関東のそれよりさらに繊細で、大皿に盛って食卓にどん、とおくことはなく、一人分ずつを各々のお皿に盛り付けていきます。
懐石料理、フランス料理、のレストランに行ってもその差は歴然です。
懐石料理は、何て沢山の数のお料理とその料理に合わせた器を使うのでしょう!!!
その流れをくみ、家には和食器があれこれとあり、その上に洋食器、ガラスの器、中華料理やエスニックにも合うお皿。。。。
諸外国のようにワンプレートでサッと済ますのは楽。でも日本人の私としては味気ない。
そこでいつものように、、、、
欲しい、でも、でも、
、、
問:うーーーー、どこにしまえばよいの?!
➡買っちゃえばどうにかなるわよ、どうにかするのよ!
問:でも地震がきたら全部割れちゃうよ
➡そんなこと言ったって、洋服に比べたらずーぅっと使えて投資効果大よ。
割れるときまで使えればそれでよしよ。
と必ず食器を買うときに心の中で沸き起こるおし問答。
その問答を乗り越え、購入に至る食器です。
相当「欲しい」と思わねば買えません。
でもこのたび買っちゃいました。
売り場に田中恒子さんご自身がおられたのです。
お顔をみて、すぐ田中さんだとわかりました。
この季節、どうしてもガラス食器に目がいき、ガラスの食器をあれこれ手に取っていました。
ひとつずつ手作りなので色合いが違います。
そこで田中さんが沢山のガラス食器を並べてくださいます。
それでも9割欲しいのだけど残り1割がどうにも使っている処のイメージがしっくりこない。
そこにふっと田中さんが持ってきてくださった一枚のお皿。
そのお皿こそ前回見ていたお皿でした。
「あ、これこれ。これだわ」
沢山並べてくださったガラス食器を全く無視し、方向転換。
この写真の右手に見えるこのお皿です。
一枚ずつ、焼きの具合が違って、緑の色も範囲も、そして茶色の色も違います。
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後日、デザインされた田中さんからこの器へ込められた想いをお聞きしました。
この器のテーマは、滝の周りの萌黄色の木々
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後日、デザインされた田中さんからこの器へ込められた想いをお聞きしました。
この器のテーマは、滝の周りの萌黄色の木々
釉薬を刷毛目で何度も塗るという技法にたどり着き この色合いが出ました。
長い時間をかけて、ようやく出来上った器です。
いつも器を生み出す時 私の心の中にある風景とその時の想いを器を通して形にしたいと思 っています。
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田中さんがお皿にあう、お椀も提案してくださいました。
ご飯をいれても、煮物を入れても、冷ばちにしても合う。写真左。
更に、とても気になっていた下の写真の薬味入れ。
こんな風にするととってもお料理がステキになる
この薬味入れ、元来緑いろ。
しかし記憶が定かではないのですが、たしか東京吉兆さんから、この色で作ってほしい、という依頼を受けて最近作ったばかりとのことです。
独特の色と風合いがうれしい。
そして前回来た時から気になっているこの鉄の器置き。
これにお皿を並べて、飾り棚としても使用できる
3次元でお皿を並べる。
和風のアフタヌーンティーセットが可能になりますね
やはり、デザインされたご本人から使い方を提案いただくと、発見に満ちていて、迷うこともありませんでした。
なによりその時間がとても楽しく充実していました。ワクワクドキドキの時間。
そしてウキウキした気持ちで食器を家にもってかえりました。
田中さんのHP
http://www.tsunekotanaka.com/