2016年4月14日木曜日

ブイヤベース bouillabaisse

風邪気味の主人と息子に、滋養にいいブイヤベースを作ることにしました。



ブイヤベースには、特別な想いがあります。
以前ヨーロッパを旅行した折、パリから地中海に向けて、TGVやレンタカーで南下しました。
その際、リヨン、ブルゴーニュで、二つ星レストラン、三つ星レストランと、たまたま、連日の飽食が続きました。

旅の疲れも丁度出ていた事と重なり、何も食べれなくなってしまっていました。

そんな時、ニースの外れのカーニュシュルメール(鷹ノ巣村の1つ)で、入った小さなレストランで注文したのが、ブイヤベース。

ひと口、ふた口と頂くと、体の中に優しくスープがしみ渡っていくのを感じました。

「少しでも食べる事ができれば」、と、注文した一皿でした。全部いただくことができ、その後元気が復活。楽しく旅を続けることができました。

それ以来、私にとっては特別な滋養強壮食、特別な料理になっています。


bouillabaisse ブイヤベースとは?

煮込む(bouill) + 海面がなぐ、火をとめる(abaisse) の合成語だそうです。(諸説あり)

そして、ブイヤベースといえば、フランスのマルセイユ。

以前ブイヤベースの定義について調べたところ、似た料理が沢山ある中で、マルセイユでは、「ブイヤベース憲章」というものを作り、昔ながらのブイヤベースを守っているようです。

  ちなみに「ブイヤベース憲章」
     1.地中海の岩礁に生息する魚に限定
       オマールエビやムール貝といった海老、貝、タコ、イカはいれない
     2.魚は4種類以上
     3.出汁に使用する小魚は、決められた魚を使用する
     4.短時間で煮込む

だそうです。
昔は漁師の大なべ料理だったため高価な食材は使わない、ということもあったのでしょうね。

<どんな魚が適している?>
私は、何度か作る中で、魚介を最低でも4種類以上、ということを守ると、美味しくできる、と実感しています。白身の魚がいいです。

癖の少ない白身のお魚が適しています。時期に応じて買い求めやすいもので作るといいと思います。
カサゴ、オコゼ、とよく書いていますが、高いです。
初めて作った時は、教科書通りに、魚を買い求め、高いお料理になりました。

春先は、アサリやアラ付きの桜鯛が店頭に安くでますので、作りやすい時期と私は感じます。
冬はタラ、アンコウなど
出汁用に安い魚を入れるといいと思います。
数匹でも、海老を冷凍しておくとか、アサリも少しとっておき冷凍しておく、等して、少しでも数多くいれる工夫をしたらよいと思います。

   ちなみにアサリは砂抜きし、洗った後、冷凍できます。凍ったまま使用します。

一度、少量のアサリと魚は鯛だけで、作りました。
これは鯛の臭いがきつくて、少しも美味しくありませんでした。
しばらく、鯛とブイヤベースを食べたくなくなったほど。

今回は、以下の魚介を使用しました。

  • 鯛・・・半身、アラ付き
  • ます・・・1匹
  • 魚介鍋セット(冷凍)・・・アサリ、かに、えび、ほたて等少量ずつはいってました。新宿の「韓国広場」という店で購入し、量が少なく中途半端なので長く冷凍して放置していました。これが、安い出汁用にいい働きをしました。
  • ムール貝

<用いるハーブ>

  • フェンネル  魚に合うハーブ
  • ディル     魚に合うハーブ
    左がフェンネル、右がディル。ディルは元気がなく赤茶けてます
  • タイム
  • ローズマリー
  • パセリ(煮込む際は茎を、出来上がり後は葉を使用)


  • サフラン 


<使用した魚介類>



<材料>
ハーブ類
 ・フェンネル、ディル(どちらかだけでよい)
 ・ローズマリー
 ・タイム
 ・サフラン 色付けと香りづけ。なければよい
魚介類
 ・鯛などの白身の魚2~3種
 ・貝やエビなど出汁になるもの 2~3種
   ★今回はマスを一匹しか使わなかった為に、魚が種類も量的にも少なく、冷凍してあったフュメドポアソンを約1カップ入れました。
野菜
 ・たまねぎ 2個
 ・セロリ 2本  茎も葉も使用
 ・人参
   ★上記の3点は、フレンチでは、ミルポワといい、肉や野菜で出汁を採る際の香味野菜です。
 ・トマトorトマトの水煮缶 または、トマトペースト
 ・じゃがいも 3個
 ・にんにく  2片
その他調味料
 ・オリーブオイル 大さじ5 適量
 ・白ワイン     150cc

<<下ごしらえ>>
・パセリの葉はタコ糸でくくります。
・ハーブ類をくくります。(ブーゲガルニ)
・サフランは下の写真のようにぬるま湯に浸しておきます


・セロリの茎、ニンジン、たまねぎ、じゃがいもは、さいの目ぎりにする
・にんにくはみじん切りにする
・トマトは水煮缶の場合、フライパンなどに入れて、煮詰め水分を飛ばしておくk

・鯛は霜降りにし、氷水にとり、ざるにあげておきます
  霜降りとは、血合いや臭みをとるために、熱湯を回しかけることをいいます。


・鱒です。1匹だけ使用。ぬめりとりなどの下処理済みで冷凍していたものです。凍ったまま使用します

・冷凍の海鮮鍋セットがこれです。
凍ったまま使用します





・冷凍のムール貝。これも凍ったまま使用

<<作り方>>
1. ル・クルーゼなどの圧手の鍋に、オリーブオイルとニンニクを入れ、香りがたつまで火をいれます。
2. たまねぎ、ニンジン、セロリの順にいれ、いためる。
3. 野菜に火が通ったところで、魚2種をいれる。

4.水をひたひたになる程度(今回は700~800cc)いれ、臭みけしのハーブ類、白ワイン約1カップを入れる。

 ★ 私は、魚を煮るときは昆布を必ずいれます。
 トマトが昆布と同じ働きをしますが(グルタミン酸)、昆布を入れる事で一層魚の臭みを消しうまみにしてくれます。(イノシン酸×グルタミン酸でうまみになる)

5.トマトペーストまたは水分を飛ばした水分を飛ばしたトマトor水煮缶、またはトマトペーストをいれる
6.15分程度煮たところで、香味野菜をとりあげる
7.入れた魚を引き上げ(鯛と鱒)、骨を身から外し、身は鍋に戻す
8.最後に、サフラン、貝、エビ類を入れ、さらに10分程度煮る
9.塩・コショウで味を調える


ルイユを食べるときにかけます。
写真の左手前がルイユ


<ルイユの作り方>
<材料>
卵黄 2個
ニンニク 2片
オリーブオイル大3
レモン汁 大1弱
塩・コショウ 少々

1.ボールにすり下ろしたにんいくと卵黄をいれて、かき混ぜる
 マヨネーズを作る要領で、少しずつオリーブオイルをかき混ぜながら入れる
  オイルを少量ずついれることで乳化します
2.乳化したら、レモン汁と塩コショウで味を調えます。

密封容器で2W保存可能